慢性的な人手不足と言われている介護業界。近年、外国人材を上手に活用することで、人手不足解消につなげるケースが増えてきました。本稿では、介護施設向けに外国人の人材紹介やコンサルティングをされている専門家に、介護施設における外国人活用の現状と課題にインタービューした内容を紹介します。

インタビューさせていただいた方は、介護施設において豊富や現場経験を持ち、多くの著書を執筆されている高山善文氏です。

 

介護施設では、どのような外国人が働いているのですか?

様々な属性の外国人が働いていますね。やはり多いのは、就労ビザが不要の外国人、つまり永住者や日本人と結婚している外国人が多いです。あとは、EPA介護士、技能実習生、介護系専門学校を卒業した外国人の方などですね。介護施設で外国人を採用する方法は、他にも、特定技能外国人、ワーキングホリデー、特定活動46号該当者など多数あるのですが、就労ビザの仕組みが少し複雑です。外国人採用に興味はあっても、何をどうやって採用すればよいか分からないという施設様も多くあると感じています。

 

外国人採用について、介護施設側の反応はいかがでしょうか?

ベトナムをはじめアジアの多くの国では、2世帯や3世帯の家族が多いため、高齢者を介護するのは当然、それを仕事にすることについても抵抗感がないようです。また、入居者からは、「自分の孫のような感じ」、「遠く(海外)からわざわざ働きに来てくれてありがとうね」という感じで接してもらえるようです。もちろん個人差はありますが、外国人スタッフの評判はおしなべて良いですね。

一方、介護施設にとって、NGな外国人介護士もいます。まず、仕事の基礎ができていない人。たとえば、時間を守れない、無断欠勤などですね。これについては、面接である程度見抜けます。最近は、オンラインで面接することが多いですが、面接の30分前からログインしている外国人は、入職してからも真面目に勤務することがほとんです。逆に、面接時間ぎりぎりでログインして、電波が悪いといった言い訳をする方は、入職してから苦労するかもしれません。

 

介護施設で外国人が働く場合の課題はありますか?

私は、第三者評価者として介護施設を訪問することがありますが、指示する人がばらばらで、外国人スタッフが混乱している現場をたまに見かけます。また、役職者の指示は聞くが、先輩からの指示を聞かない場合もあります。これは、日本人の感覚と外国人の感覚が違うためだと思われます。国によっては、先輩、後輩という概念がないこともあるからです。この点に留意して育成していくと、彼らの能力を発揮しやすいと思います。

また、入居者の言葉が聞き取りにくいこという課題もあります。経験の浅い外国人の場合、認知症対応は難しいかもしれませんね。

 

外国人材のモチベーション維持のために、留意することはありますか?

1つの介護施設に、複数の外国人社員がいる場合、皆同じ制度で採用になっている場合はよいのですが、EPA介護士、技能実習生、介護系専門学校を卒業した外国人の方など、異なる制度で採用になっている場合、同じ国籍や年齢であっても、雇用条件や給与が大きく違う場合があります。ですから、その違いについて、きちんと説明する必要があります。現場の長の方ではうまく説明できないこともあるようです。そういう場合は、経営者側から、説明したほうがよいでしょう。

 

ありがとうございました。

 

取材協力

ティー・オー・エス株式会社 代表取締役 高山善文氏 https://www.jtos.co.jp/

高山氏の著書

 

 


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