外国人介護士をはじめて採用する時、いろいろな心配事が出てくると思います。このページでは、採用前に出てくる懸念事項をまとめました。

外国人介護スタッフに対しての入居者の反応はどうですか?

一概には言えませんが、おおむね好意的に受け入れられることが多いです。最近では、コンビニエンスストアやデパートでも外国人スタッフがたくさん働いていますので、外国人の介護士がいても、すぐになじむことが多いです。

入居者から外国人介護士に対して、「遠い国からやってきてくれてありがとうね」と声を掛けられることもあります。また、外国人介護士が契約期間を満了して帰国する際には、手を握って涙を流す入居者もおられます。

一方、ある介護施設では、こんな出来事もありました。その介護施設で働く外国人介護士は若く、元気で、明るい性格のため、多くの入居者から人気がありました。あまりに人気があるため、入居者の間でプレゼントの競争が始まり、他の日本人介護士からのやっかみも生じてきました。施設全体の雰囲気も悪くなり、その外国人介護士は耐えきれずに退職してしまいました。

外国人介護士が入職することで、職場に新しい風が吹きます。その風をうまく利用して職場全体が明るくなればよいのですが、負の連鎖を起こすこともあります。入職予定の外国人介護士が明るく人気者になりそうな要素がある場合、こうした点にも注意しておくとよいかもしれません。

 

文化や考え方が違うので、どのように指導すればよいか分かりません

海外から日本に来て介護士として働く外国人は、事前に一定レベルの日本語力を備えています。ですから、基本的には、高卒の新人を教育するつもりで、社会常識も含めて丁寧に教えてあげるとよいと思います。

また、この点について、既に外国人介護士を雇用されている介護施設の施設長や事務長(複数名)にお聞きしたところ、下記のような回答をいただきました。複数名の回答を要約しますと、下記になります。

「介護職を希望して入職した外国人は、ホスピタリティ精神を持っています。たとえ文化や考え方が多少違っても、高齢者を尊重し、世話をするという意識のある人たちです。人を相手にする仕事ですから、この気持ちがあれば、育成について必要以上に心配される必要はないと思います。入職すれば、なんとかなりますよ。」

 

外国人介護士が病気やケガをした場合、どのように対応すればよいですか?

万が一の事態に備えて念書を用意

外国人介護士が、万が一、事故に遭い、緊急手術が必要になった場合、日本人の親族(夫や妻)がおられるのでしたら、日本人社員と同じように対応すればよいかと思います。つまり、親族に連絡をとり、手術同意書にサインをもらいます。

問題は、日本に親族がいない場合です。就職時に身元保証人をたててもらっている場合は、その身元保証人に連絡します。身元保証人もいない場合に備えて、平時から以下の準備しておくとよいです。

〇日本在住で連絡のつく人に、身元保証人になってもらう。これは入社に際しての身元保証ではなく、あくまで緊急時の対応(手術同意書にサイン)のための身元保証です。

〇万が一に備えて、外国人社員本人から念書を取っておく。本人および本人の両親に書いてもらうとより安心ですね。

文面例は下記です。

「万が一、緊急手術等が必要になり、私の意識がない場合、あるいは私の意思表示が困難な場合、会社および医療機関の判断に従います。その判断について事後に異議申し立てを行いません。」

 

〇(平時に)顧問弁護士に状況を伝えておき、緊急時の対応についてアドバイスを受ける。個々の状況により、ベストな判断をするためには、弁護士など専門家のアドバイスを事前に受けていたほうがよいでしょう。

 

至急、外国人の親族を日本に呼ぶ方法

北米や欧州、韓国、台湾など、査証免除国の方であれば、航空券さえ取得できればすぐにでも来日することができます。しかし、査証免除国でない場合、来日するために、査証申請を行う必要があります。通常であれば、速くても6日ほどかかります。

日本に住む外国人に有事があり、至急、母国の親族を日本に呼ぶ必要が出た場合、すぐに現地国の日本大使館に相談してください。

通常、正当な理由があれば即日、おそくとも翌日には査証が発行されます。診断書、上申書などが必要となる場合が多いですので、日本側で準備しておいてください。なお、緊急の場合、診断書や上申書などは、メールやFAXで確認できる状態であればよしとされることが多いです。

 

外国人介護士を採用する時、保証人をつけられますか?

日本国内に親族や親しい知人がいる場合、その人に身元保証人になってもらうことができます。ただ、現状として、外国人介護士を含め、日本で働く外国人に保証人がいる場合は少ないです。

万が一の場合に備え、保証会社を利用することもできます。最近では、外国人の身元保証に特化した保証会社も増えてきました。「外国人 身元保証人」で検索するといくつか出てきます。

残業や夜勤がありますが、対応できますか?

この点は面接時に確認できます。当法人の経験上、面接を希望する応募者の中で、残業できません、夜勤できませんという人はいませんでした。また、人材紹介会社を利用する場合は、最初から、残業や夜勤対応可能な人を紹介してもらえばよいでしょう。

 

認知症の入居者とのコミュニケーションはできますか?

認知証の入居者とのコミュニケーションは、高度な技術や経験が必要だと思われます。最初から、認知症入居者への対応をまかせるのはさけたほうがよいかもしれません。

外国人介護士の離職率はどれくらいですか?

永住者や日本人と結婚している外国人介護士については、法律上、どのような仕事でもすることができますので、退職も本人の自由です。ですので、離職率については、日本人とそれほど変わりません。

海外から呼び寄せる外国人の場合、つまり特定技能外国人や技能実習生の場合、退職→帰国となることもあるため、安易な気持ちで退職をしないです。覚悟を持って来日しているので、よほどのことがない限り、退職はしない傾向にあります。

 

採用を検討している外国人の過去の犯罪歴などを調べることはできますか?

現在の法律では、第三者が他人(外国人含む)の犯歴を調べることはできません。ただ、もし外国人が過去に重大犯罪を犯している場合、日本に入国できません。空港の入国審査で止められます。重大犯罪者については、各国の入国管理官憲で情報が共有されていますので、この点は安心してください。

 

外国人介護士の住居はどのように準備すればよいですか?

海外から呼びよせる場合や、入職にともない近くに引っ越してくる場合は、できれば、会社側が住居を用意してあげたほうがよいです。特に、地方の場合、外国人との賃貸契約はNGという大家さんが一定数いるからです。

家賃については、外国人介護士の給与からの天引きで構いません。ただ、この時、家賃以上に天引きすることは避けてください。最近、この点についても行政の指導が厳しくなっております。また、こうした扱いは、いずれ外国人にもばれます。自分達が大切にされていない、不当に搾取されていると感じると、早期退職にもつながります。

 

日本の生活に慣れず、ホームシックになることはないですか?

絶対ないとは言い切れません。外国人介護士を受け入れているほとんどの介護施設では、彼らの住居に、インターネット回線、WIFIなどを設置しています。これは必須です。これがないと、外国人介護士(特に海外から呼び寄せた外国人)はすぐにホームシックになってしまいます。彼らは家に帰ると、母国の親族や友人と、ネット上で長時間会話するのが常です。そうすることで、ホームシックやストレスの防止になっているようです。

長期休暇は必要ですか?

これは、その人によります。日本の正月とその国の新年の時期が異なることもよくあります。例えば、ベトナム人介護士の場合、日本の正月を勤務してもらう代わりに、ベトナムの新年のお祝い(テト)の時期(1月末~2月)に長期休暇を与えるという方法もあります。

 

仕事以外はどこまで関わればよいですか?

基本的に、日本人と同じでOKです。あまり外国人介護士のことを気にしすぎると、日本人介護士からのやっかみが生じる可能性のあるからです。

 


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